10年ぶりの再挑戦

もま さん(2025年度合格 30代女性 メーカーの貿易管理担当 受験回数2回 ※1回目は第49回)

【プロフィール】

フルタイム出社ありワーキングマザー。

10年前に第49回通関士試験を受験していますが、当時は体調を崩してしまってほとんど勉強できず、出産や異動を経て、今回が実質1回目の受験です。

受験のきっかけは、異動で貿易管理の仕事に就き、早くキャッチアップしたかったためです。

【使用教材、問題集】

テキスト

・みこ会テキスト

この1冊を読み込めば合格点は取れるはずです。細かい規定まで網羅されています。

テキストは最初に通しで1周、その後は問題演習をする度にカテゴリ毎に少しずつ読んでいました。

ただ読むだけでなく2周目以降は必ず問題演習とセットにしていたので、問題の論点と共にテキストの該当箇所を頭に入れることができていたと思います。

問題集

・通関士 過去問題集(ヒュー青)→7周

・通関士 過去問題集 スピードマスター(スピマス)→5周

・ゼロからの申告書→3周

・計算ドリル→全体5周、苦手な問題10周

その他

・みこ会過去問アプリと過去問

アプリは暇さえあればやっていました。関税法・通関実務は10〜15回は周回しました。

過去問は、関税法・業法は第51回〜57回の7年分、実務は第45回〜57回の13年分をダウンロードして、自分で印刷・製本して通しで3回解きました。(第58回はヒュー青に収録されていたので印刷せず)

・LECの貨物分類講座

少しお金はかかりますが、分類を体系的に学べてとても良かったです。申告書問題でも分類に自信が持てるようになりました。

【勉強】

総勉強時間:約470時間

「合格者の多くは最低450時間以上は勉強しています」とみこ会のページにあったので、試験日から逆算して1月に勉強を開始し、9月末までに最低450時間は勉強時間が確保できるようなスケジュールを組みました。

ただ、資格試験を受ける時はいつも勉強時間を記録していますが、それは合格者の平均勉強時間との乖離を知りたいだけで、時間はあくまで目安と考えています。そのため、「何をどれだけやったか」も同時に記録して進めていました。

時期毎の勉強内容はこのような感じです。

1〜3月:テキスト精読、LEC貨物分類講座、計算・申告書

→冬は生命維持で精一杯なので、だいたい布団の中でLECの貨物分類講座を聴き、みこ会のテキストと貨物分類テキストを読んでいました。3月から過去問を印刷して、3月末までは申告書と計算だけ集中して取り組みました。

4月:関税法開始 ヒュー青休止/スピマス開始

→ 関税法を始めました。ヒュー青が思うように解けずイライラしたので、過去問をひねらずまとめてあるスピマスに切り替えました。

5月:関税法過去問開始、ゼロ申、ヒュー青再開

→ GWに過去問とゼロ申を進めました。ゼロ申は1日でほぼ1周終えました。

また、スピマスを回すうちにヒュー青が解けるようになってきたのでヒュー青もルーチンに戻しました。

6月:業法開始

→ 5月までの学習内容に加え、業法を開始しました。「順調に進められているので、モチベーション維持のために少しペースを落としてみるのもありです」とみこ先生に助言いただいたので、この時期はペースを落としました。

7〜8月:満遍なく

→ 過去問は9割取れるようになってきたので、ひたすら問題集を周回し、テキストを読み込んでいました。

9〜10月:不明点全部潰し、苦手対策

→ LECの模試で大苦戦。今まで「何となく」で進めてきた箇所、あやふやな点を全部潰すと決めて、みこ先生に何度も質問しました。

最後の1週間は加算税、申告書の歩留まりの計算、戻し税など苦手な箇所を徹底的に対策しました。

実は不思議な体験をしていて、前日に何故か「飲料見直さないと」と強く思い、過去問を見直していたのですが、本番の申告書問題でも飲料が出てスムーズに解けました。

私は大切な試験の前後には氏神様にお参りしているので、今回も力を貸してくれたのだと思います。

科目毎の勉強のポイントとしては以下の通りです。

・実務

とにかく早いうちに手をつけた方がよいです。計算も申告書も可能な限りいろいろなパターンを見ておくと本番で怯まずに立ち向かえます。

貨物分類はすべて覚える必要はありませんが、「加工が進むと後の類」「餃子・ワンタンはパスタに分類される」などのポイントを押さえておくと楽になります。

また、課税価格の決定が苦手な方が多いと思われますが、「その費用をかけることで輸入貨物に価値が付与されているか?」「輸入のために必要な費用か?」という視点で考えると間違えづらくなりました。

しかし、第49回(申告書難問回)の経験から実務を固めていったのですが、近年の傾向として申告書は第49回、第50回あたりをピークに易化傾向なので、時間を使いすぎた感があります。ゼロ申3周はやりすぎでした。

・関税法

外為法は最初から一切手をつけませんでした。それでも過去問で出た論点だけは覚えていたら本番では正解できました。

戻し税や課税物件の確定時期などの頻出分野は1枚の表にまとめて、隙間時間に見たりトイレの壁に貼ったりしていました。

また、みこ会の過去問解説をしっかり読み込むといいと思います。過去問でカバーできていないところはテキストを繰り返し読み、理解できるまでみこ先生に何度も質問しました。

・通関業法

時間をかけすぎないように。60%取れればいいと割り切りました。

【模試】

8/25 日本関税協会(会場受験)

A判定、全国11位でしたが過去問の寄せ集めで本試験より簡単です。ここでの順位はあまり当てになりません。

昨年、一昨年の模試も購入して解きましたが、似たような問題で似たような点数が出ました。

9/7 LEC(会場受験) 

業法・税法は合格点を上回りましたが、実務はLEC独特の傾向で申告書問題で苦戦しました。

また、業法・税法もテキストではさらっと流していた知識を細かく突いてくる印象です。本試験の傾向とはやや異なると思います。

【第59回 結果】

通関業法 39/45(86%)

関税法  45/60(75%)

通関実務 38/45(84%)

緊張のあまり寝られず、睡眠時間2時間という最悪のコンディションで受けました。通関実務の時に寝不足の影響か不整脈が起きて、途中からまともな状態ではなかったので、合格発表までマークミスの可能性に怯えていました……。

【反省点と総括】

・試験前夜は寝ましょう。

・関税法の詰めが甘かった。みこ会のテキストを丸覚えするくらいで臨むべきでした。

・そもそも子どもが産まれる前に合格しておくべきでした。勉強単体ではそれほど辛くなかったですが、育児との両立が本当に辛かったです。

・資格試験は今までにいくつか受けてきましたが、通関士試験は特に個々人のやり方が他の人にははまりづらく、最後までどうなるかわからない試験だと感じました。それでも合格できたのはみこ会のおかげです。みこ先生にはわからないことを教えてもらうのはもちろんのこと、何度も励ましていただいて、精神的にもたくさん支えていただきました。

長くなりましたが、これから受験される皆様を応援しています。